infoseiri’s blog

映画から食からサッカーまで

ゲーム理論#1

どうもこんにちは赤猫です。

職業(一対一の塾バイト)や学生という間柄、学ぶことの意味について考えることが多いのですが、何かつかめたような気がします。

学びとは…考え方のフレームワークを知ること。こういう結論に至りました。

以前の記事の前書きににも書いたかもしれないですが、発端はバイトでの教え方についての悩みでした。そこでどうすれば教え方がうまくなるのか、そもそもどういう勉強がおすすめなのか。ネットで教科ごとに色々調べました。

そこで、ハッとしたのが、数学の勉強法。数学の問題はいくつかのフレームワークがあり、それを必要な時に引き出せるかが大事だと。たとえば、三角関数であれば余弦定理、加法定理など。定義や定理と呼べれるものが主ですが、部分分数分解のようなテクニック系もあります。

このような便利な考え方の枠組みを、たくさん知っていた方が、新しい問題に対処しやすいですよね。何もない土壌から、ぱっと新たな考え方(枠組み)が出るかというと、凡人には到底できないと思います。さらに実生活でも、考える力(過去の事例から、新たな問題に対する処置を導く)がつくと思います。私は当然、凡人それどころか馬鹿な凡人なので、これからはこの気づき・学びを生かしたいです。

 

 

 

 

さて、前置きが長くなりましたが、今回は私が大学で学んでいる、フレームワークの一つ。ゲーム理論について、一緒に勉強していきましょう。

 

 

ゲーム理論はなんで良いの

そもそもどうしてゲーム理論を勉強するのかですが、これは相手の行動が自分に影響するということを、簡潔に表現・分析できるツールだからです。日常を見てもらうとわかるように、相手に影響を及ぼされる状況というのは少なくないでしょう。生まれたときから、すでに家庭という環境に縛られていますから。人生の3ステージ(大学、就職、結婚)で説明すると、親が学費をどれぐらい払ってくれるのか、独り立ちを許してくれるのか。就職では、志望する会社が自分を雇ってくれるのか。結婚では、相手が自分を好きになってくれるか、家庭を持っていいと認めてくれるか。自分一人の利益だけでは世の中は決まらないようです。

では、そのように応用範囲が広いゲームとはいったい何なのか。大切な構成要素が3つあります。

  1. プレイヤー
  2. 戦略
  3. 利得

です。細かく言うと、数学的な記述が出てくるのでここでは省きますが。さっきの例だと、

大学進学ゲーム

  1. 親と子
  2. 地元か独り立ち
  3. 地元だと費用は安く済むが、教育レベルがあんまり 

という感じでしょうか。

 

 

同時に行動

それではさっそく、同時手番のゲームについて説明していきますね。同時手番というのは相手の行動が、わからない、いいかえると、時間的に同時に行動するので、相手の手の内を見てから行動を変えるようなことができないという意味です。じゃんけんなんかは、まさにこれですね。

 

実際に例を見ながら説明します。ゲーム理論界隈では超有名な「囚人のジレンマ」というのを使うと。

殺人の容疑で、あなたを合わせて2人が容疑者として今とらえられています。警察は証拠を集めていますが、証言が必要です。そこで自白してくれた囚人には刑を軽くするようにしました。

  • 2人が互いに殺人の告白をすれば、互いに刑が軽くなり懲役3年。
  • 2人のうち1人が告白し、もう1人は「自分はやっていない。」と黙秘するのであれば、告白した方は重い罪に問われ懲役4年。しかし黙秘した方は助かります。
  • 両方とも黙り込むのならば、証言が取れないので、懲役5年。

別々の留置場に入っているので、相手の手の内はわかりません。警察側も協力することを懸念し、同時に取り調べを行うそうです。

この場合、あなたはどの選択をとるのが最も合理的、つまり得をするのでしょうか。

まず得というものを考えていかないといけませんね。ここでは、いわずもがな、懲役年数でしょう。長くなればなるほど自由を奪われてしまいます。懲役年数を軽くするためには、相手が告白するなら、自分は黙秘した方がよし。相手が黙秘するなら、自分も黙秘した方が良いです。まとめると、相手の行動によって自分の出方(告白するのか、黙秘するのか)は変わりますが、どちらにしろ黙秘した方がよさそう。

 

 

ナッシュ均衡

結果的に、囚人は2人とも告白しそうです。この戦略の組み合わせから、仮に自分だけが行動を変更する(黙秘ではなく告白)するとしたらどうなるでしょうか。相手が黙秘のままなら自分一人のみに、殺人の罪が問われてしまいます。このように、自分一人が行動を変えても、得をしないという状況が、すべてのプレイヤーに成り立っている戦略の組(「黙秘、黙秘」)をナッシュ均衡と呼びます。

 

 

達成される理由

ここで別の事例を考えたいと思います。

あなたは彼女(彼氏)とデートの約束をしました。でもその日は偶然、あなたの好きなフットボールの試合と、彼女(彼氏)の好きな映画の試写会がかぶっています。同じ場所に行かないと、そもそもデートが成り立たないので

こうすると、とりあえず同じ場所に行くという予想はできますが、どちらが達成されるのかはわかりません。予想と結果は違いますよね。では、本当にこの予想通りに行動する(同じデートスポットへ行く)ためにどうすればいいのでしょうか。

この予想を現実にするには正しい相手の行動予想が大切です。

簡単です。話し合えばいい。LINEで明日はここに行こうと先に約束しておけばいいのです。そうすれば、同じ場所に行かないとデートできないのだから、相手も渋々合わせるはず。こうして事前に相手が選ぶデートスポットを正しく予想できました。

口約束だけで成り立つというこの事実は大切です。囚人のジレンマを考察してきた、あなたならもうわかるかもしれません。相手が、もしかしたら裏切って自白するかもしれないなら、自分だけ懲役刑です。相手が絶対黙秘するだろうと予測?できません。なぜなら、別々の留置場にいるためコミュニケーションが取れないからです。この場合にはゲームに色々変更を加えるのですが、それは別の記事で…

他にも、試行錯誤を重ねて、経験的に均衡に収まったというケースもあります。エスカレーターで右側を開けるとか、挨拶をされたら必ず返すとか。常識と呼ばれる類に多いですね。ゲーム理論は、常識に対して、深く分析できるということかもしれません。

 

 

 

社会全体にとっての幸福

経済学では、ある事象が社会の誰もにとって幸福になっているのかをよく考えます。

頭のいい皆さんならもうわかっていると思いますが、どちらも黙秘するより、自白してしまった方が良いです。というのも自白した囚人には、刑を軽くしてもらえる褒美が与えられますから。

ということは、ゲーム理論で予想した結果というのは、必ずしも社会全体の幸福とは結び付かないということです。誰かが得をすれば、誰かが損をしていると考えることはよくありますよね。株で大儲けできた人がいれば、一方で大損している人がいる。そのような現実を、ゲーム理論はわかりやすいかたちで明らかにしてくれます。

 

 

次回はもっと応用範囲を広げていきます

では

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